廃車になった車両の行方は?

事故を起こして乗れなくなってしまった車、あるいは新しいものに乗り換えるので不要になった車はなんらかの方法で処分する必要があります。車として使ってくれる人がいない場合、処分方法は廃車になります。では、廃車すると車両はどうなるのでしょうか。

 

解体業者に渡ればバラバラに分解される

まず、廃車という言葉を聞いて多くの人がイメージするのが、スクラップ工場に持ち込まれて機械でぺったんこにされる車の姿でしょう。廃車にしたら必ずスクラップ処分というわけではありませんが、基本的にはその道をたどることが多いです。
スクラップということになると、解体業者に渡された車両はバラバラに解体され、リサイクルに必要なパーツが分けられます。たとえばエアバッグがそうです。また、シュレッダーダストと呼ばれる、解体中に出たガラスやゴムなどの細かな破片も取り分けられます。シュレッダーダストは以前、そのまま埋め立て処分されていましたが、水銀などの有害物質が含まれているということでリサイクル法に基づいて処分されることになったのです。

使えるパーツはそのままの形で売られることも

スクラップ処分の車両はなにからなにまで粉々にされるとは限らず、再利用できそうなものは形を保った状態で取り外され、売却されることもあります。たとえば、カーエアコンやオーディオ装置がそうです。
上記のように、解体業者の手に車両が渡ったら、リサイクルできるもの、廃棄するもの、そのままの形で再利用するものという風な形で分解され、二度と復活することはありません。なので、廃車の申請方法も永久抹消手続きといって、車両の解体が必須のものになります。
一方、一時抹消登録という廃車の申請方法もあり、こちらを選んだ場合はスクラップにならない可能性もあります。たとえば、買い換えのために乗っていた車をディーラーに処分してもらう場合、一時抹消登録での廃車だと、最終的に中古車として販売されることもあり得るのです。

一時抹消登録にして自宅の敷地で保存することもできる

なので、車両がそのままの形で流通するのは困るという場合は、ディーラーに対して永久抹消手続きでの廃車にしてほしいとしっかり伝えるようにしましょう。いろいろなところが壊れていて、わざわざ永久抹消手続きにしてほしいといわなくても絶対そうなるだろうと思っていた車両が、外国に渡って修理され、その国の人に購入されることもあるからです。
亡くなった親からもらい受けたなど古い車に対して非常に愛着がある場合、もう乗ることは無理でも自宅の庭などに残しておきたいという人もいるかもしれません。これは可能かというと、問題なく可能です。一時抹消登録で廃車にしたあと、車庫でも庭でも自宅の敷地の好きなところに置いておくことができます。